ウクライナをリードするICT産業 日本で初の展示会参加
~日本企業とのビジネスマッチングを目指して11社が来日~

当社及び学研(親会社)はロシアによるウクライナ侵攻が発生した2022年より、ウクライナ避難民への支援をしている。また、当社が窓口となっている日本企業の支援(ルーマニアへの避難児童向け)も始まっており、現地との繋がりも深まりつつある。こうした中、2023年10月、当社は、ウクライナをリードするICT企業の日本初の展示会(CEATEC)及び日本企業とのビジネスマッチングの支援を総務省事業(当社が受託)により実施した。日本企業を惹きつけた企業もあり、その一部を紹介したい。

ウクライナのICT企業11社がCEATCに初参加

2023年10月17~20日の4日間にわたり、アジア最大級の規模を誇るIT技術とエレクトロニクスの国際展示会「CEATEC2023」が幕張メッセにて開催された。24度目の開催となる今回の展示会には、海外から195社/団体が出展したが、ウクライナ企業の参加は開催以来初 となった。同国からは、総務省が招聘したICT企業11社および政府機関の他、在日ウクライナ大使館がパビリオンにて出展した。


会場のウクライナパビリオンの様子

ウクライナ企業のユニークなICT技術

ウクライナのIT産業は重要な位置を占めている。とりわけ、ロシアの軍事侵攻が続くさ中、外貨の稼ぎ頭として、ウクライナ政府はICT企業に助成金を出すなど、国家全体でのIT産業活性化を目指している。AIを活用した、英文添削ソフトを提供する「Grammarly(グラマリー)」はウクライナ発のITスタートアップ企業(ユニコーン企業)として有名になったが、その他にもこうしたポテンシャルを秘めたスタートアップ企業11社が参加した。

中でも、特に来場者の注目を集めたKodisoft社(2005年設立)は、レストランでの注文やエンターテインメントとして活用可能なスマートテーブルソフトウェア(料理が届くままでの待ち時間をコミュニケーションの場として創出)とデバイスを提供している。欧州等12ヵ国での導入実績があり、レストラン・ショッピングセンター・空港・児童施設などで使用されており、熱心な日本企業とのやりとりが目を引いた。

また、G-MAK社(2019年設立)は、複数のセンサーで侵入者を検知し、霧・サイレン・ストロボフラッシュなどで侵入を防ぐ、ホームセキュリティシステム製品を展開している。店舗・倉庫・公共施設から個人の自宅まで、幅広いシーンでのセキュリティ対策に活用可能な製品であり、こちらも来場者が多かった。


Kodisoft社のスマートテーブル

G-MAK社のホームセキュリティシステム製品

日本企業とのマッチングの成果に期待

ウクライナの企業は、ロシアを除くと欧州企業とのビジネス交流が主である。アジアは欧州とは市場も異なり、企業との連携の仕方や商慣習も大きく異なるため、簡単にはビジネスマッチングの成果は出ないかもしれない。しかし、既に日本企業との協業を始めているウクライナ企業も出てきている。ロシアとの戦時下、時間をかける余裕はないかもしれないが、日本政府も日本企業のウクライナ支援を後押しする支援事業に取り組むことになっている。今回の展示会が、そのきっかけになることを期待している。

本展示会のウクライナパビリオンについては、以下6つのメディアでも取り上げられ、ウクライナ企業の取り組みについて紹介された。

参考資料:

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